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IFRSがビジネスに与える影響と対応アプローチ

神林 比洋雄氏

株式会社プロティピティジャパン 公認会計士 マネージングディレクター

我が国企業へのIFRS適用のロードマップ

2009年6月30日「我が国における国際会計基準の取り扱いについて(中間報告)」いわゆる金融庁ロードマップが公表された。これにより、IFRSの任意適用が2010年3月期から始まり、2015年にも上場企業に対して強制適用される見込みとなった。

IFRSがビジネスに与える影響

IFRSは単に会計プロセスだけでなく、その他のプロセス、ITシステム、リスクと内部統制、さらに経営戦略にも大きな影響を与える可能性がある。その影響度は、各社の業種・業態・ビジネスモデルによりそれぞれ異なってくる。例えば、IFRSの適用により、売上水準が大きく変わる場合に、その売上を維持したいならばM&Aを実施するタイミングに十分留意する必要があるであろうし、資産の売却処理(オフバランス処理)が認められていたものが認められなくなり借入金処理する場合には財務比率に影響を与えコベナンツ(財務制限条項)に抵触する可能性もあるなど財務戦略に影響を与えることもある。

したがって、IFRSの適用により発生するであろう潜在的リスクを的確に把握しないと予想だにしないリスクが発生する恐れがあり、その潜在的なリスクを事前に正しく特定し、コントロールしないと企業の持続的成長に支障をきたすこととなる。

対応アプローチ

IFRSの影響を十分かつ網羅的に把握するためには、図に示すリスクマネジメントで用いられる6つの要素フレームワークを利用して分析することが有効である。

ビジネスコンテキスト

このフレームワークでは、IFRSの適用を外部環境である規制環境の変化としてとらえ、内部環境の6つの要素[(1)戦略と方針、(2)ビジネスプロセス、(3)人と組織、(4)マネジメントレポート、(5)方法論、(6)システムとデータ]にどのような影響を与えるのかを分析する。 例えば、有給休暇引当金を計上する場合、世界中から消化率等のデータを収集する必要が発生し当該プロセスを構築する必要が生じ、ビジネスプロセスに影響を与えることがわかる。

IFRS適用と経営管理

IFRSの適用が進展すると、グループ内の各事業セグメントを業績評価するにあたってIFRSベースの連結された経営指標を用いて事業セグメントの比較・評価がより容易に行えるようになり、さらに、同じくIFRSベースで外部報告されている企業の企業買収の際に既存事業セグメントとのシナジー効果の予測をより迅速に行えるようになる。

各国で複数事業を展開しているグローバル企業において、特に、IFRSベースのマネジメント情報及び外部情報を用いて経営を行うことは、そうでない企業に比べて、より的確かつ迅速な経営を行い得る優位性が増すものと考えられる。

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