新規会員申込
教育プログラム
IFRS導入コンサルティング・人材紹介
会議室をお探しの方はこちら(東京・新宿・大阪梅田 駅近!)
アビタスはIFRSコンソーシアムを応援しています!
日本クロストラスト SSL
当サイトでは、実在性の証明とプライバシー保護のため、SSLサーバ証明書を導入しています。日本クロストラストが提供するトラストシールをクリックすることで、検証結果をご確認いただけます。

IFRSコンソーシアム委員会 緊急IFRSサーベイ

■サーベイ実施概要

実施時期 2011年7月2日~2011年7月8日
対象 IFRSコンソーシアム委員会
東京・関西メンバー企業
計38社 内回答27社(匿名方式)
協力 日本オラクル株式会社

1)これまでのIFRS導入についての準備状況についてお聞かせください。(複数回答可)

1)グラフ
単位:社
プロジェクト計画の策定 21
自社グループへの影響と課題の調査 24
IFRS導入ロードマップを策定 23
会計方針の決定 8
業務プロセスの対応方針の決定 5
情報システムの対応方針の決定 6
新会計方針、業務プロセスの導入 1
情報システムの改修、導入 1
実務者に対するトレーニング 1
Other 1

■いずれも対応中

ページの先頭へ

2)いつからの導入を想定されていましたか。

2)グラフ
単位:社
2012年3月期 1
2013年12月期 1
2014年3期 or 2015年3期 1
2014年3月期 1
2015年3月期 14
2015年12月期 1
2015年3月期 or 2016年3月期 1
2016年3月期 3
2017年1月期 1
2017年2月期 1
Other 2

■準備を進めているが、具体的な導入時期については、決定していない。

■導入時期は未定ながら、ゴールを1年程度前倒しにして準備を推進していた

ページの先頭へ

3-a)今回の「IFRS導入延期」の発表を受けて、想定する導入時期に変更はありますか。

3-a)グラフ
ページの先頭へ
単位:社
発表前より早める 0 0%
変更なし 8 27%
発表前より遅くする 12 46%
Other 7 27%

3-b)質問3-a)で回答いただいた「導入時期を変更する」或いは「変更しない」理由をお聞かせください。

もう既に任意適用を開始した会社がある。将来的にもIFRS導入が見送られるのなら判断が異なる可能性はあるが、現時点では、導入そのものを取止めるという考え方ではないことより、当社としては、従来の方針を継続する考えでいる。
強制適用時での導入を予定していたが、延期となった事から、強制適用時とするか、その前の一定時点での導入とするか、現時点では未定。 延期の時期、内容を勘案して、会社として最も相応しい時点での導入とする事を検討する。
※ 税務との関係、初度適用との関係等を勘案したい。
準備期間が延長になる分を有効に使うため、発表前より遅くする方針。
以下の理由で任意で早期に適用することは現時点では考えていない為。  
(1)海外で資金調達をしていないこともあり、IFRS導入のメリットよりも導入コスト等のデメリットが大きい。
(2)IFRSの個別基準・公開草案の中に、経営実態の正しい反映の観点で問題があるものがあるため、その改善がされる前にIFRSを導入することは投資家をミスリードする。
2015年3月期に強制適用される可能性は無くなったため。
今後は強制適用を巡る検討の動向を見ながら、新たな導入時期を想定する。
強制適用の最短導入時期2017年(2012年適用+5年の準備期間)を想定をしているため。
コンバージェンスが大幅に遅れており、早期適用による労力・コストが大幅に増大する見込みとなっているため。
制度適用を目指していた為、現状明確になっているわけではないが、2年は遅くなると想定し、2017年3月期適用を仮定している。
強制適用時期に合わせた導入を計画しているため。
米国基準の適用期限が従来2016年3月期までと明確に定められていたことから、強制適用時期は2017年3月期であると当社は想定していました。
一方、今回の大臣発言の内容から推測される最短の強制適用時期は、やはり2017年3月期となります。
以上から、現段階では当社の当初の想定通りということで、今回の大臣発言だけでは、スケジュールを変更することはないという結論です。
また、仮に現行基準を維持するという選択肢を採ることになったとしても、会計基準のコンバージェンスの今後の展開を想定した場合、IFRS導入を想定した活動は無駄にはならないと考えている。
プロジェクトを発足し、スケジュールを立てて進めている以上、手戻りの生じない範囲で粛々と進めるしかない。現時点では、逆に計画を変更する積極的理由がない。
弊社では、当初からIFRSはグローバル企業に不可欠な会計基準ということで、早期適用を目指して準備を進めてきております。よって、任意適用が認められている以上、強制適用時期が数年遅れること自体が、IHRS適用の見直しには直結しないと考えております。今後の日米当局の動向によっては、導入時期の変更の可能性もあるかとは思いますが、現状では導入時期の変更はせずに準備をこれまで通り進めております。
IFRSでグループの会計方針を統一という方針には変更がないため。
IFRSをベースとした、グループ統一の会計方針導入が目的で進めてきており、強制適用時期とは関係なく任意適用をしたいと考えている。
すでにプロジェクトチームを編成し、準備を進めているため変更しない。

ページの先頭へ

3-c)今回の発表を受けて、プロジェクトを中断される企業にのみお伺いします。
プロジェクトを中断するとした場合、どこまでを区切りとされますか。
中断までに対応を済ませておかれるものをご選択ください(複数選択可)

3-c)グラフ
単位:社
プロジェクト計画の策定 3
自社グループへの影響と課題の調査 3
IFRS導入ロードマップを策定 3
会計方針の決定 2
業務プロセスの対応方針の決定 2
情報システムの対応方針の決定 2
新会計方針、業務プロセスの導入 0
情報システムの改修、導入 0
実務者に対するトレーニング 0
Other 1

ページの先頭へ

4)「IFRS導入延期」した場合のメリットと思われる点をお聞かせください。

導入負荷が平準化。
準備に時間を掛けることはできるが、いずれにせよ、いつかは導入するなら、早い方がいいと考えていることより、あまり、大きなメリットではにのではないか?
本邦内の諸制度の整備、整合性の検討に十分時間がとれるというメリットはあり。
税法・会社法のあり方等に関する十分な検討期間の確保。
企業における十分な導入準備期間の確保。
会計方針変更やシステム改良および関係会社への教育など、IFRS導入の体制が整えられる。
IFRS導入コストの抑制、システム対応時期の分散化、他社事例の活用が可能、IFRS会計方針策定やシステム投資の手戻りの抑制など。
その他の重点テーマに経理部門等のリソースを振り当てられること。
日本にとってどのようにIFRSを導入するのが国益に合ったものなのかを十分議論することができる。
日本基準の、コンバージェンスが進むこと。
参考とすべき自主開示企業に適用例が増加する。
IFRSの基準(Target)が固定化し、対応が容易になる。
導入時期を延期するメリットはない。
強制適用についての方向性が明示された上で準備期間に余裕ができるのであれば、企業にとって対応がやりやすくなる。
単なる先送りであれば、特段のメリットはない。
「リース」「金融商品」等、影響の大きいムービングターゲットの動向を見据えた影響分析に時間を費やすことが可能となった。
十分な検討ができるのではないか。ただ、導入時期が延期となったといっても、米国の動向、検討中の基準の基準化の時期、他国の導入方法の把握と共有化等がはっきりしないと、日本の導入方法や対象範囲なども決まらない。そういった点を決めるために関係者が十分な話し合いとコンセンサスを持ち、日本基準もコンバージェンスを進めるなど時間を有効に使わなければならない。
グループ会社展開、システム改修等に十分な準備期間がとれる。(ただし、適用範囲が明確になっている前提。適用されるかされないかわからない状態では。検討が進められない。)
2015年3月期を目指していたものの、実際の対応活動は非常にタイトであったため、時間的な余裕ができることは、メリットとなる。但し、制度適用の決定を早く行い、かつ、適用時期に幅を持たせることなく、2017年3月期から、といった具合に明言する必要あり。

ページの先頭へ

5)「IFRS導入延期」した場合のデメリットと思われる点をお聞かせください。

・プロジェクト維持コストがかかる
・全社への導入への勢いがトーンダウンし、PJのモチベーションが低下
・これまでの検討結果が無駄になる恐れがある
IFRSへの社内意識が低下する
世界の潮流に遅れる。会計は一本化すべき、という考え方に遅れを取ることはマイナスの方が大きいのでないか?
IASBにおける日本の影響力の低下。
IFRS導入の社内外の気運が弱まる可能性がある。 IFRS専任者のモチベーション低下。
プロジェクト関係者のモチベーションの維持が難しい、これまでの検討内容の引継ぎに無駄が発生する可能性がある、など。
IFRSの導入を「強制適用による止むを得ないもの」という位置付けで推進している企業にとっては直接の動機が弱くなる為に、現行の推進活動に支障をきたすことが想像されます。
国際的に、特に韓国等のアジア諸国に遅れをとると思われること。
IFRS基準への日本の影響力低下。(懸念であって、現実化を阻止願いたい)
日本の国際的信用力の低下。企業にとっても徒に間延びするだけ。また、適用範囲を限定するのであれば、先行準備企業でロスの生じる会社が出てくる。
各社の適用する基準が混在し、比較可能性が損なわれる。
先行して準備を進めてきた企業にとっては、外部コンサルタントの起用や、専任プロジェクト設置など、現在の推進体制を維持するためにコストがかかる。
当社の場合は、動向を見ながら慎重に進めてきたので、大きなデメリットはない。
海外からの資金調達が難しくなる可能性。
日本基準のコンバージェンスのスピードがより遅くなってしまうことを懸念します。
国際的な動きに乗り遅れることになり、事業のグローバルな成長にとっては制約になる可能性がある。
既に導入している国との導入時期の差が大きくなり、投資家の比較可能性の目的がなかなか達成されない。日本が自主性がなく消極的に見られたり、意見発信力が小さくなったりする可能性もある。
アジア・オセアニア地区におけるリーディングポジション喪失のリスク 。

ページの先頭へ

6)規制当局へのご要望事項等をお聞かせください。

はやく方向性を出してほしい。
具体的には、米基準の使用期限撤廃は何時、どのタイミングから法制化される。(将来、日本基準・米基準・IFRSと3基準の共存を想定しているのかどうか)
また、米国が決めないかぎり、日本は決められないのであれば、その趣旨をはっきりと伝える。米国に先んじて進む可能性の有無等。
再びジャパンプレミアムがつくことはあってはならない。
しっかりと、国内諸法との整合性を検討して、あらゆる可能性を排除しないでほしい。米国会計基準の位置付けを今一度、検討すべきではないか?
日本基準のコンバージェンスを含めた二重作業等の回避。
出来る限り早期に、適用対象会社・強制適用時期を決定していただきたい。
税務との関係を整理して頂きたい。
初度適用の事務負担軽減を含め、アドプションでは無く、コンバージェンス(or J-IFRS等)も検討して頂きたい。
事務負担を含め、連結と単体での差異は極力無くして頂きたい。(もしくは、単体はIFRSとJ-GAAPの両方を選択出来る様にして頂きたい。)
強制適用の範囲が見直されるのであれば、早い段階(今年の9月頃まで)で適用される範囲を明示して欲しい。
先日の大臣発言は多くの選択肢を想像させますが、結局のところ明確な方針は何も決まっていないということでしかないので、今後方針を打ち出す際には未定部分を可能な限りなくした形での方針発表をしていただきたい。
重大な局面につき、企業会計審議会等で十分議論のうえ、2012年には方針を示して欲しい。
IFRS導入の具体的な方向性が十分な議論の上で決定されるよう、強いリーダーシップを発揮して欲しい。
又、方向性に関する議論と平行して、IFRSの個別基準の開発、改訂に、各業界への影響を把握した上で、これまで以上に強く関与してほしい(⇒これによって、現在はIFRS導入に慎重な産業・企業が、前向きになれる)
国内企業が実務的な混乱に陥ることのないよう配慮していただき、企業(特に実務にあたって)どう動けばよいのか明確となる判断を望みたいと思います。
日本基準が、コンバージェンスされていくことによって初度適用が不要になるようにしてほしい。
単体(会社法)もIFRSでの財務諸表報告を可能にして組み換えの負担を減らしてほしい。
IFRS導入が国益に適うかどうかの結論を出してほしい。導入するなら、国家プロジェクトとして、会社法、税法等も含めた緩和措置を導入し、負担の少ない導入にしてほしい。
日本企業、資本市場に対する信認を失わせることのないよう、早期の方針及びロードマップの決定を望む。会社法・税法とのトライアングル体制をいつ、どのように見直してゆくかの議論も併せて早期の決定をお願いしたい。
他の関係法令(税法、会社法等)との関係整理。
米国のみならず、新興国も含めた国際的な視点から、会計基準の国際的な統一について検討してもらいたい。
・実務対応報告第18号の廃止
・連結財務諸表開示会社における、単体開示の廃止
・単体財務諸表におけるIFRSの任意適用可能化
1.制度適用宣言をアメリカよりも早く行う
2.制度適用時期を明確にする、幅を持たせない
3.制度適用に向けた各種準備を怠り無く進める
 (1)インコーポレーションに向けた基準の整備
 (2)連結・単体の整理
 (3)法体系の整備
 (4)産官学協力体制の構築
 (5)人的資源の拡充

ページの先頭へ

IFRSコンソーシアム主任研究員・アドバイザーに聞く ~IFRS制度適用延期と企業の対応~

井上 寅喜 氏 株式会社アカウンティングアドバイザリー 代表取締役社長 公認会計士
神林 比洋雄 氏 プロティビティLLC 最高経営責任者兼社長 公認会計士
桜本 利幸 氏 日本オラクル株式会社 ITコーディネータ/公認システム監査人 ディレクター
野村 直秀 氏 アクセンチュア株式会社 財務・経営グループ統括 エグゼクティブ・パートナー 公認会計士
脇 一郎 氏 ジャパンビジネスアシュアランス株式会社 マネージングディレクター 公認会計士

【議論を尽くして日本に最善の方法を探る】

―6月21 日に発表された金融担当大臣の“IFRS適用に関する検討について”を、どのように捉えられていますか?

■神林 ご承知のように製造業を中心とした21の企業と団体が5月25日に要望書を出しました。IFRSの資産・負債アプローチという観点は収益・費用アプローチを全否定するものではありませんが、フローを大事にし、1円の原価を重視しなければならない製造業の経営者にとっては、抵抗感があるかもしれません。金融資本主義がリーマンショックで揺らぐ中、2009年、中間報告で金融庁はIFRSを推進し、日本の発言権を確保するという意気込みを示しました。これは、アメリカを始めとする各国の動きや、日本のイニシアティブの強化を期待する動きなどを背景に、素早い動きをとったものとも思われます。ただもう少し関係者の意見を確認する場をもつべきではなかったかという声も聞かれます。新たな企業会計審議会企画調整部会の臨時委員のメンバーを拝見すると、導入に慎重なご意見をお持ちの方々もいらっしゃり、さまざまな意見を幅広く聞いた上で、意思決定していくというプロセスが設定されたように思われます。今後、どのようにIFRSを導入するのが日本にとってよいのかというコンセンサスを広く得ていくことがポイントでしょう。一方で、アメリカでは、フルアドプションではなくエンドースメント(採用)とコンバージェンス(収斂)を一緒にした、「コンドースメント」という造語まで出てきています。収斂しながら最終的には同一化していくことになるアプローチで、実質的にはIFRS=USGAAPとなっていくようなやり方です。同時にアメリカは、世界で唯一の高度な基準が必要とも言っています。日本でも議論は必要で、使い手が納得した実態を反映したものでなければなりません。ただそれらを踏まえて、検討を進めるべきでIFRS導入の流れは変えるべきではないと思います。

■井上 アメリカは日本より先にIFRSの導入を表明し、導入のためのマイルストーンに関する議論を続け、準備を進めてきました。そうした中で日本は、2009年の導入に関する中間報告公表以来、これまで十分な議論もないまま、2015年または2016年という適用義務化の年度だけが独り歩きしてきたように思われます。相当数の会社が対応準備を行っている中、アメリカの動向があやしくなってきたところで、日本でも今回の金融担当大臣の延期に関する記者会見が行われました。これをどう捉えればよいか? 日本企業にとって、これは3つのメリットとして捉えることができると思います。1つ目は、今後、会社法や税法に関連する議論や改正がなされたものを踏まえた制度対応ができるというメリット。2つ目は、ムービングターゲットへの対応が容易になるというメリット。3つ目に、より多くの範囲にわたり自社内で対応できるようになる、というメリットです。これまで、時間的な制約から社外のコンサルタントや監査法人に丸投げしてきた企業にとって、自分たちでできる範囲が広がります。こうしたメリットを十分に活用するために、アメリカの動向を注視することが大事です。IFRS導入に当たって最も大変だと言われている初度適用(IFRS1号)を、アメリカは企業の負担を軽減しようと考え、米国会計基準を5~7年続けていれば、最後の年にはIFRSに準拠していると宣言できるという対応を検討しています。神林さんが言うところの、「コンドースメントアプローチ」です。日本においても、これからそうした議論が行われることは大きなプラスでしょう。日本企業の負担が少しでも軽減できるような、体制づくりを期待しています。

■脇 アメリカの動きもあり、日本も延期されるのではないかという思いは皆さんどこかにあったと思います。それが、産業界からの要望書を受けるなどして、6月突然、金融担当大臣の発表というのはサプライズではありましたが、それまでもやもやしていたものが、少し払拭されたのはよかったのではないかと思います。今回の報道でIFRS適用について反対派・賛成派が分かれた感はありますが、共通した問題意識として「制度設計」に関する金融庁に対する対応の遅さがあるかと思います。「IFRS(金商法)と会社法、税法との調整」「連結単体の問題」など、IFRSを近く強制適用していくにはあまりにも不確実な要素が多すぎたという点があげられると思います。これらの問題は会計基準のコンバージェンスと同時に議論・解決すべき問題であるにもかかわらず、2009年の金融庁中間報告以降、目立った進展が見えない、これが産業界からの大きな不満となっていたのではないかと思います。

■野村 今回、提起された問題は、本来であればもっと早い段階で、たとえば2008年にロードマップが発表されたときに、皆さんが興味をもって、IFRSの適用義務化による自社への影響や考えるべきことを議論していれば、今とは少しは異なる様相を呈していたと思います。IFRSを義務化すれば、税法、会社法はじめ、いろいろな制度へのインパクトも当然ありますし、社内制度への影響もあります。それは明らかです。本来ならば、もっと早くから議論されるべきことでした。それが進展しない中で、アメリカの動きもあって改めて大きくクローズアップされたのではないかと思います。IFRSを国の制度としてどう位置づけるかという議論が、いま、遅まきながら改めて積極的にされようとしていることは重要です。十分な議論もされず義務化されるのは非常に怖いことです。これを廃止への動きと捉える向きもありますが、そうではありません。十分な議論、検討を行って制度化するために、日本企業にも十分な時間の猶予がもたらされたということです。

■桜本 日本と日本以外の経済圏を全地球規模で見たとき、日本企業のグローバル化は遅れていると言わざるを得ません。ITも取り組みは早かったのですが、それが逆に災いして、後々の新しいインターネット技術などへの対応が遅れ、いまや企業におけるITの活用度では、インドや韓国企業の後塵を拝しています。そうした中で、経営を高度化する道具としてIFRSを使って、企業力、そして日本力を底上げしていこうという方向性だったのだと思います。制度化は延期となりましたが、ツールを有効に使って、経営の高度化やガバナンスを効かせようと思っている企業は立ち止まらないと思います。しかし、それに気づかず「制度だから仕方ないからやろう」という企業が止まってしまうと、その企業はますます遅れ、おいていかれます。制度適用の延期によって、格差がいっそう拡大するのではないか、という印象をもちました。IFRSは、マネジメント・アプローチや資産・負債アプローチといった、これまでとは異なる考え方が出てきます。管理会計をマネジメント・アカウンティングと言いますが、IFRSは制度会計でありながらマネジメント・アカウンティングに寄っていく方向感があります。また、収益・費用アプローチよりも、ヒト、モノ、カネ、いわゆる経営資源の情報をより細かく、公正価値で見ていこうとしています。ここでスピードダウンすることで、経営の成熟度の差がさらに開いていくのではないかと危惧します。このままでは、日本だけが遅れているという状況になりかねません。

(続きはPDF資料をご覧ください)

「サーベイ結果、主任研究員・アドバイザーに聞く」のPDF資料のダウンロードはこちらから