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IFRSとは

世界110カ国以上で採用されている国際会計基準、IFRS(International Financial Reporting Standards)。企業活動の国際化が進む中、現在会計制度は国ごとに異なります。各国で採用している会計基準では国際間比較は困難であり、会計基準の国際的統一が期待されてきました。国際会計基準審議会(IASB)によって設定されたIFRS(国際会計基準)は、2005年よりすでにEU域内市場での統一基準として採用されています。

日本でも、2009年度から「選択適用」が認められ、上場企業への適用が義務づけられるかは2012年に最終判断されるものの、早ければ2015年に「義務化」という方向性も示唆されました。 経理・財務のプロフェッショナルにとって、IFRSの知識はもはや不可欠といえるかもしれません。

国際会計基準を採用もしくは共通化する国の動向

IFRS(International Financial Reporting Standards)とは、世界的に承認され遵守されることを目的として、IASB(国際会計基準審議会)によって設定される会計基準の総称です。

IFRS導入の経緯と今後の予定

現在多くの国ではIFRS導入に向け、各国によって異なる会計基準の差異を解消するために「採用」(アダプション)または「収斂」(コンバージェンス)の方法で会計基準の統一を進めています。

IFRSと米国基準とのコンバージェンスの経緯と現状

IFRSと米国基準のコンバージェンスは、2002年9月の国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)との共同会議(ノーウォーク合意)からはじまります。2006年2月に交わされたMOU(覚書)では、欧州証券規制当局委員(CESR)が示した両基準の差異18項目を2008年末までに解消していく方針を表明し、それに沿ってコンバージェンスが進められています。
さらには、IFRS財務諸表を作成し、米国に上場している外国企業は米国規準への調整を不要としたり、外国企業に限らず米国企業に関しても2014年以降、会社の規模に応じてIFRSを採用するロードマップが示されています。

IFRSと日本基準とのコンバージェンスの経緯および現状

2005年7月にCESRにより出された日本の会計基準とIFRSとの同等性評価において(第三国基準の同等性評価に関する技術的助言)日本基準は全体としてIFRSと同等と評価されたものの、26項目の追加開示等の補完措置が必要であることが指摘されました。

また、2007年8月のIASB議長の来日に合わせて、共同声明としての「東京合意」が公表され、2008年と2011年の2段階に分けコンバージェンス作業をすすめることで合意しています。

なお、2009年6月、企業会計審議会の策定した中間報告によれば、IFRSの採用(アドプション)について、2012年前後に最終判断をし、早ければ2015年にはIFRSが強制適用される見込みとなっています。

日本におけるIFRSの必要性

日本国内においては、2011年に向けコンバージェンスは進行しているものの、現在のところ IFRSによる有価証券報告書等の提出は未だ認められていません。

しかし、各国で、IFRS採用が進む中にあって、グローバルに事業展開行なっている企業や積極的に海外市場にて資金調達を行っている企業にとって、IFRSによる財務諸表の作成はメリットが大きいと考えられます。 IFRSの導入による影響は、決算作成における会計基準の変更だけではありません。財務数値や財務報告プロセスはもちろん、内部統制、情報システム、税務、財務など広範に及びます。導入に向け企業側の負担はあるものの、経済活動のインフラともいえる会計基準を世界基準に合わせることは中長期的なスタンスでみれば、投資家やアナリスト等のステークホルダー更には企業側にとってもプラスになるメリットが大きいと考えられます。

今後は日本企業であっても、IFRSの動向を無視して会計処理を行うことは難しく、早い段階からIFRS導入対応に向けての準備が必要となります。

IFRS導入による企業のメリット

財務報告プロセス 企業にとっては、連結決算をする際に手間のかかる基準間の差異調整が必要でなくなる。
エクイティーファイナンス 共通の会計基準で財務報告を実施することにより世界のいかなる資本市場においても低コストで資本調達が可能になる。
経営意思決定 世界的に統一された会計基準によって作成された財務諸表によって、意思決定までのプロセスをより明確なものにすることが可能になる。
クロスボーダーM&A 取引当事者が共通の会計基準を適用していることにより、デューデリジェンスの効率性が増し、意思決定の迅速化が可能になる。
内部統制報告書及びリスクマネージメント 財務報告に係る内部統制に関連しても統一した手法や実施が可能となり、リスクマネジメント手法の統一により、財務報告に関連するリスクが軽減される。

IFRS導入における今後の課題

IFRS導入にあたり解決すべき課題は山積みです。IFRSルールに沿った財務諸表の作成においても、過去の実績がない中でしかもIFRSをしっかりと理解した人材が極端に少ないため、その対策はほとんど取られていないのが実態のようです。 体系だてたIFRSの理解がその導入に向けた対策の一歩となることは間違いありません。

解決すべき課題

IFRSに対応できる社内管理体制への見直し
IFRS採用による企業業績への影響度合いの把握
経営者層へのIFRSの理解、浸透
過年度のIFRSベース数値の確定
IFRSの日本語普及、教育プログラムの整備、人材の育成
税法との調整事項の確認
具体的なIFRS適用実務の積上げ
経理システムの構築

経団連のレポートによればIFRSへの移行期に要する期間は1-3年は必要と回答している企業65%と過半数を超えスムーズなIFRSへの移行には相当な期間が必要なようです。 上記のような課題を克服し、問題なく移行するためには早期に人材を育成し早めの準備が不可欠です。

a・・・1年未満、b・・・1-2年、c・・・2-3年、d・・・3-4年、e・・・4年以上

出展:(社)日本経済団体連合会「今後のわが国会計基準のあり方に関する調査結果概要」